この記事ではこんな疑問にお答えします。
- 建売住宅の価格もう少し安くならないかな?
- 販売金額が下がることはあるの?
- 建売住宅は値引きしてもらえるって本当?
建売住宅を検討中なら「少しでも安く買えたらいいな」と思うのが本音ですよね。でも、待っているだけではチャンスを逃すかもしれません。
実は、建売住宅は事前の工夫と交渉するタイミング次第で値引きが成立することがよくあります。
この記事では、「値下げを待つ」のではなく「値引きを引き出す」ための考え方と、あなたにもできる具体的なやり方をお伝えします。
とりあえず具体的なやり方を知りたい方は“値引き交渉で必要なのは2つだけ!「買いたい意欲」と「買える証拠」”を読んでください
執筆者プロフィール
- 仲介手数料0円のアイラブ代表
- 元大手ハウスメーカー営業マン
- 2男1女の父
- 趣味はソロキャンプ、スマホ先生
建売住宅はタイミング次第で安くなる!売主の値引き心理とは?
「定価で買うのが普通」「値引きは難しい」と思いがちですが、建売住宅の売主(多くは建築会社)には“値引きしてでも売りたい”、次の2つの事情があります。
- “新築”と呼べる「1年以内」に売り切りたい
- 会社の売上実績を確定させるため、期日までに売り切りたい
“新築”と呼べる「1年以内」に売り切りたい
建売住宅は基本的に「新築物件」として販売されます。ただし“新築”と呼べるのは、建てて1年以内の建物だけ。
それを過ぎると“中古住宅”扱いになり、“新築”として販売できなくなってしまいます。
出典:公正競争規約の紹介 | 不動産公正取引協議会連合会
「新築」と「中古住宅」では買い手のイメージが大きく変わるため、売主は「中古」になる前に売却を済ませることが、まず第一の目標。
そのため、販売価格を柔軟に調整し、状況によっては値引きが行われることもあるのです。
会社の売上実績を確定させるため、期日までに売り切りたい
1年以内に売れればいい、という単純な話ではありません。何としてでも売りたい時期が定期的にあります。
例えば、決算期。
建築会社にとって決算期は、業績を確定させる極めて重要な時期です。特に「もう少しで販売目標を達成する」という状況では、多少の値引きをしてでも売りたいという強いニーズが生まれます。
この「目標達成」という会社全体の事情は、各支店や担当者レベルにも影響し、結果的に販売価格に大きく関わることがあります。
こうしたタイミングをうまく見極めれば、値引き交渉を有利に進めることが可能です。
値引き交渉するなら、タイミングが重要です
建売住宅の値引き交渉が成功しやすいタイミングとは?
建売住宅で値引きを引き出すには、売主側の状況をうまく見極めることが重要です。売主が早く売りたい「タイミング」や「特定の物件」を狙うことで、値引き交渉がスムーズに進む可能性が高まります。
具体的には、以下の4つが狙い目です。
- 長期在庫(完成後3ヶ月以上)
- 分譲地内最後の1棟
- 決算時期(6月、9月、12月、3月)
- 予算達成目前
長期在庫(完成後3ヶ月以上)
建売住宅の売主は、完成後すぐに売却することで利益を確定させたいと考えています。しかし、3ヶ月以上経過しても売れない場合、売主には「早く売らなければ」という焦りが生まれます。
この心理の背景には、「在庫を抱え続けるとコストがかかる」「市場価値が下がる前に売却したい」という売主の事情があります。さらに、長期在庫は「人気がない物件」と見られてしまうため、ますます売却が難しくなる悪循環に陥りやすいのです。
こうした状況下では、多少の値引きでも早期売却を優先する心理が強まります。購入希望者が交渉を持ちかければ、売主側も前向きに応じる可能性が高まるでしょう。
分譲地内最後の1棟
3棟以上の建売分譲では、複数の住宅が同時に販売されますが、1棟だけ売れ残ってしまうことがあります。
売主にとっては建売分譲のすべての物件を売り切ることでプロジェクトが完了するため、最後の1棟は「どうしても早く売り切りたい」という心理が強く働きます。
- プロジェクトの完了を急ぎたい
建売分譲の最後の1棟が売れないと、プロジェクト全体の区切りがつかず、次の事業や販売活動へスムーズに移行できません。そのため、多少の値引きをしてでも早期に売却したいと考えます。 - 管理コストの削減
最後の1棟が残ることで、維持管理費が発生し続けるため、売主としてはそのコストを抑えるためにも売却を優先したいという事情があります。 - マイナスイメージを避けたい
最後まで売れ残った物件は、購入希望者に「何か問題があるのでは?」といった印象を与えがちです。売主としては、このマイナスイメージを避けるためにも、早めに売り切ってしまいたいと考えます。
このような状況から、建売分譲の最後の1棟は値引き交渉が成立しやすい条件が揃っています。
決算時期(6月、9月、12月、3月)
建築会社にとって、決算時期は会社の業績を確定させる重要なタイミングです。決算は年に一度ではなく、四半期ごとに行われるため、これらの月は会社全体で売上を最大化しようとする動きが活発になります。
具体的には、6月、9月、12月、3月。
この月は、「この四半期中に売上として計上したい」という意識が強く、通常よりも柔軟に値引き交渉に応じやすくなる傾向があります。
物件が売れ残ると次期に持ち越され、業績に影響を与えるため、多少の利益を削ってでも早く売却を決めたいという心理が働くのです。
予算達成目前
決算期に限らず、売主の支店が月ごとの目標達成に向けて追い込みの状況なら、値引きに応じてもらえる可能性が高まります。
例えば、「今月あと1棟売れれば予算を達成できる」という切迫した状況では、売主側も「なんとしてでも今月中に売り切りたい」という心理が強まります。
設定された販売目標を達成できるかどうかは、支店の業績評価に直結するからです。
こうした背景から、「少しの値引きで買ってもらえるなら……」という姿勢が見られやすく、購入希望者にとっては値引き交渉の絶好の機会となります。
売主の「どうしても売りたい」という心理を理解し、タイミングよく交渉を持ちかけることが、値引きを引き出す秘訣です。
建売住宅の値引きは誰に頼む?交渉の窓口とポイント
建売住宅の値引き交渉をする際は、物件の窓口がどこかを把握することが重要です。窓口は大きく分けて2つあり、売主物件は直接「売主」に、仲介物件なら「仲介会社」に交渉することになります。
それぞれの立場や役割を理解しておくことで、交渉をスムーズに進めることができます。
売主物件:直接売主に交渉する場合
売主物件とは、建築会社が自ら販売している物件のことです。ただし、売主との直接交渉は難易度が高いことが多いので慎重に進める必要があります。
- 売主が売りたいタイミングを狙う 決算時期や予算達成目前、長期在庫など、売主が「早く売りたい」と感じる時期を狙うと交渉が成立しやすくなります。
- 他の物件も検討していると伝える 「他の物件も考えている」と伝えることで、売主に競争意識が生まれ、値引きに前向きになる可能性があります。
- 担当者の裁量を確認する 担当者に値引きの決定権があるか確認し、判断が会社や上司になる場合は丁寧に交渉を進めましょう。
仲介物件:仲介会社を通して交渉する場合
仲介物件は、不動産会社(仲介会社)が間に入り、売主と購入希望者をつなぐ形で販売されます。
- 売主が売りたいタイミングを狙う 売主が「早く売りたい」と考える時期を逃さないようにしましょう。
- 仲介会社を味方につける 購入意思をしっかり伝え、「本気で買いたい」という姿勢を示すことで、担当者が売主へ交渉しやすくなります。
- 担当者の提案を活用する 仲介会社は売主の状況や物件の背景を知っていることが多いため、値引きの余地や交渉のコツをアドバイスしてくれることもあります。
あくまで仲介会社は中立的な立場であり、値引きの決定権者は売主です。
しかし中には、購入者の無知につけこむ仲介業者もいるため注意が必要です。
- 「分かりました、値引きしましょう!」 と、さも自分に決定権があるかのように振る舞うケース。実際には最終的な判断は売主次第です。
- 「現地販売担当なので、売主から特別に値引きできるようにしてもらっています」 といったトーク。これも事実ではありません。もしこれが本当なら、売主は不動産業界での信頼を失います。
値引きの判断はあくまで売主にあります。そのうえで、仲介会社を上手に使って値引きを引き出すことを意識しましょう。
値引き交渉で必要なのは2つだけ!「買いたい意欲」と「買える証拠」
建売住宅の値引き交渉は、仲介物件の場合、交渉そのものは仲介会社が行ってくれるため、あなたがやるべきことはシンプル。「買いたい意欲」を示し、それを裏付ける「買える証拠」を用意することだけです。
この2つをしっかり揃えて仲介会社に託せば、売主に対して本気度が伝わり、値引き交渉がスムーズに進む可能性が高まります。具体的には、以下の2つのアクションが必要です。
- 不動産購入申込書にサインする
- 住宅ローンの事前審査を通しておく
不動産購入申込書にサインする-買いたい意欲を示す
不動産購入申込書は、「この物件を購入したい」という意思を売主に伝えるための書類です。「買付申込書」や、「買受証明書」「かいつけ」などと呼ばれることもありますが、どれも同じ書類のことです。
値引き交渉の有無にかかわらず、物件購入時は不動産売買契約の前に、仲介会社が用意した購入申込書に記入し、売主に提出するのが一般的な流れです。
購入申込書には希望する売買金額を記入する欄があります。参考:不動産購入申込書雛形(全日本不動産協会書式)
値引き交渉をする場合は、この欄に「希望する金額」を具体的に記載することが大事!
例えば購入申込書に「2,800万円」と明記すれば、「私はこの金額なら購入します!」という明確な意思を売主に示すことができます。
購入申込書があることで、売主にとっては「確実に購入してくれる人」という安心感が生まれ、値引き交渉にも応じやすくなるのです。
ただし、購入するつもりがないのに申込書を書く行為はNGです。 売主や仲介会社に迷惑がかかるだけでなく、信用を損なう原因にもなりますので、本気で購入を検討している場合にのみ提出しましょう。
住宅ローンの事前審査を通しておく-買える証拠を用意する
値引き交渉を有利に進めるためには、「自分は確実に購入できる能力がある」 という証拠を示すことが大切です。
「買える証拠」として最も効果的なのが、住宅ローンの事前審査(仮審査)です。どの金融機関でも良いので、1つは事前審査を通しておくことが最重要。
なお、事前審査を受けた後でも、他の金融機関で審査を受けることは問題ありません。複数に審査を依頼するデメリットは一切ないので、自分に合ったローンを比較することもできます。
値引き交渉をするなら住宅ローンの事前審査は必須。
- ネットを使えば、手軽に住宅ローンの事前審査を受けることができます。
- 事前審査を受けることで、利用可能なローン額が把握でき、具体的な購入計画が進めやすくなります。
- まず1つ、どの金融機関でもいいので、事前審査を受けておくことが大切です。
今では、ネットから簡単に事前審査を申し込める金融機関も増えています。
例えば、住信SBIネット銀行などは、オンラインでスムーズに事前審査を受けられるため、手間がかかりません。
≫ 住信SBIネット銀行 住宅ローンの事前審査
事前審査は遅かれ早かれ必要です。先に済ませることで、値引き交渉のチャンスを逃さないようにしてください。
建売住宅の値引き交渉で気をつけるべきこと【山形版】
建売住宅の値引き交渉は、ポイントを押さえて進めれば有利に進むこともありますが、注意すべき点もいくつかあります。ここでは、交渉の際に特に気をつけたいポイントを解説します。
- 値引きにも限度がある
- 契約時期ではなく、物件の引き渡し時期が重要
- 交渉している間に先を越されることがある
- 値引きに柔軟な売主もいれば、厳しい売主も存在する
値引きにも限度がある
値引き交渉が成立することもありますが、値引きには限度があることを理解しておきましょう。売主にも利益を確保するラインがあるため、過度な値引き要求は逆に交渉を難しくすることがあります。
特に相場や売主の事情を無視して大幅な値引きを求めると、交渉が破談になるリスクもあるため注意が必要です。
契約時期ではなく、物件の引き渡し時期が重要
値引き交渉で重要なのは契約時期ではありません。売主が重要視するのは、物件が引き渡され、すべての残金が手元に入る時期です。
そのため、引き渡し時期が売主の条件に合わない場合は、値引きを断られる可能性が高いです。
値引き交渉している間に先を越されることがある
交渉に時間をかけすぎると、他の購入希望者に先を越されてしまうことがあります。建売住宅は早い者勝ちの面も強いため、気になる物件があれば早めに動くことが大切です。
不動産業界ではよくある話ですが、動きがなかった物件ほど、なぜか同じタイミングで問い合わせが集中し、タッチの差で決まるものです。交渉と決断はスピード感を持って進めましょう。
売主によって異なる値引き対応
売主によって、値引きに対する姿勢は異なります。経験上の話になりますが、おおむね次のような傾向が見られます。
- 地元の工務店や中小規模の建築会社:利益確保のため、値引きに厳しい場合が多い
- 大手建築会社の物件:比較的値引きに寛容な傾向があり、事情によって柔軟な対応
売主の傾向に合わせた交渉を意識することが大切です。
建売住宅の値引き交渉は事前準備とタイミングがすべて
建売住宅の値引き交渉を成功させるには、事前準備とタイミングが何より重要です。
そして、値引き交渉は仲介会社が代行してくれますが、交渉を成立させるためには、あなたにしかできない「事前の準備」と「決断」が必要です。
値引き交渉を有利に進めるために…
- できることは早めにやっておく
特に住宅ローンの事前審査は、いずれ必要になるものです。先に済ませておけば、交渉の際に「買える証拠」として大きな武器になります。 - 「いくらまで下がるか」ではなく、「いくらなら買うか」を決める
値引き交渉では、自分が納得できる購入金額をあらかじめ決めておくことが大切です。具体的な数字を示すことで、交渉がスムーズに進みます。
値引き交渉は「早く動いた人が勝つ」ものです。事前準備を整え、買いたい物件が見つかったら迷わず行動しましょう!
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